医療機関も、メディアも考えなければなりません。

今日のお話
あたたかさ

おはようございます。

今日から最高気温も上がっていくようですが、朝はやはり寒いですね。

まだ、戦いは終わっていませんので、今日も臨戦態勢で発進です。

昨日は、一般の保育園、乳児検診や入園前健診などで外回り。

久しぶりに太陽を存分に浴びましたが、考えさせられることもありました。

まずは”医療機関の問題”。

受診された方は僕の論調をご存じだとは思いますが、直に結果を見たら

やはり悲しくなります

 

ほとんどの小児に係わる先生方は、流行状況・状態・毎年違うものへの対処。

しっかりと把握されいています

そのためにクリニックでの診療、保育園や小学校などの園医・校医。

市の乳児検診、休日急患夜間診療所、二次救急病院への応援

専門医会などの勉強の場。

これらで、理解していきます。

 

今年のインフルエンザは、しつこく記載していますが発熱と無関係です。

喉は健診時に僕が見る限りかなり怪しかった子供さん。

昨日登園前にかかりつ医様を受診されたようですが、その場で、

 

”熱がないからインフルエンザではないです”

 

との診断を受けて、そのまま無検査で来られている方がおられました。

保育園としては医療機関が判断したら当然お預かりをされる訳ですが、

かかっておられない子供さんやご自身にあとからインフルエンザが

やってきます。

 

今の時代というか、今季に”熱がないからインフルエンザではない”などという

診断を下すことに、憤りを通り越して本当に悲しくなりました。

子供は、自分で症状を考え、休むという判断ができませんから、仮にも小児科医

ならば、確実に安全な判断を出して、拡散防止と本人の将来を考えて休ませる

アドバイスをしないといけないです。

は、自分自身は以前も書きましたが享楽的です。遊ぶことも大好きですし、

大馬鹿な存在です。その分失敗も多いですが。

僕の本質。

 

子供さんに関わるときは全く違います。

”まあ、いいかとりあえず早く済ませて、次の人に”

を土台に動くと大変なことになりますし、

苦しい思いをさせた後、”経験して苦しかったでしょう?”はできません

無垢で、純真。大人の接し方次第で無限に成長する可能性があるので。

 

開業当時、僕は36歳でした。

その時はこの考え方は”青臭い”と言われたこともあります。

子供の安全を考えるなら、それでいいと医院の理念を作りましたが、現在49歳になっても

考え方がゆるむどころか、世界と渡り合う子供さんの姿を見て、開業当時とは比較に

ならないほどストイックになっています。時々刻々と変わる医療情勢についていくために

日々勉強しかありませんが、そのような学術の場で、

 

”熱がないからインフルエンザではありません。”

 

といわれる方にお会いしたことは一度もないです。

僕が見ているのは、自分にとって得か損かではなく、また好きか、嫌いではなく、

あくまで小児科の診療に真剣かどうか?

その一点だけです。

ただただ、健康で笑顔が見られると嬉しいです。

 

勤務医時代、他県ですが大きな病院の小児科の一人医長時代を過ごしました。

まだ32歳くらいです。体力があったから乗り切れたのだと思いますが、小児科、新生児科

を一人でやっていました。外来、入院、時間外診療、休日診療。365日。

見落としてはいけないと真剣に取り組んでいましたが、色々と経験しました。

二次救急(岡山で言えば済生会病ほどの規模でしょうか)ですので、重症の方をお受けして、

移動前の福山で鍛えていただいた知識と経験を総動員していましたが、少しのタイミングの

ずれでの入院のため、悲しい結果にも遭遇しています。

常に神経をとがらせていましたので、大学病院から移動の辞令が来る頃には、少し燃え尽き

かかっていましたが。

バーンアウト手前。真剣だと、こうなります。ですが、真剣が当たり前。

 

小児とかかわるということは、子供の人生を左右する部分に関わるということです。

 

アレルギーでの無検査、自宅負荷試験。これも危険です。アナフィラキシーになることも

ありますし、精査するとアレルギーがもとからなかったこともあります。

 

医師には、二つのタイプがあるとはっきり感じていますが、

開業後に、”医師”のままでいる方”商売人”になる方です。

それを否定するつもりは全くないですが、小児医療に関わる場合は”商売人”ではよくない

猛省を促します。”医師”にもどり、”医師”として正しい取り組みをお願いしたいです。

 

僕自身は、まだまだ勉強をしなくてはいけませんし、自分の未熟な部分を常に見つけ、修正もいる。

それができなくなり、おもねる様な早い診察、適当に証明書、将来性への心配なし、ただ自分が

良ければよいと感じ始めたら、即刻小児科医をやめます。

 

子供さんのためになりませんから。

 

小児内科屋として、できることに限りもあります。

自分が勤務医時代に病院に泊まり込んでやってきたような経験がないことは”できない”とお伝え

しています。その代わり、その道の真のエキスパートをご紹介するようにしています。

すべては子供を守るため。

 

これは、東日本大震災で各専門医の先生方が、ご自身の専門分野のことのみを追求して災害医療

取り組むと電気がなくても、医療行為が成り立つことを実際に経験して強く実感しました。

NICUに入って、未熟児や新生児をしっかりと診ていない方に赤ちゃんの診察や健診はできません。

ましてやそれが外科系ならば、なおさらです。

 

僕は?大人の込み入ったことは、現在どうなっているのかわかりません。適当に投薬などしたら、

大事です。外科処置もそうです。縫った跡が全く分からないほどのすごい技術をお持ちの形成の先生

がおられますが、僕が仮に縫うとめちゃちゃくでしょう。

医療機関は、自らの専門の分野を徹底的に詰めて、抱え込むのではなく、難しいと判断したらすぐに

最も信頼できるプロにお任せすべきです。

 

ここまで大流行のインフルエンザ。しかも、A・B同時という異常な状態で、患者様に危機を啓もうし、

平和にしていくこと。これが医療でしょう。

 

昨日に、驚くべき程軽いインフルエンザの方に接し、健診であまりにも悲しい診断を見たので。

長文、本当に失礼いたしました。

 

誤解をしていただきたくないのは、子供に係わる方がいい加減だなと思った場合、

真剣に取り組んでいる所に行っていただきたいだけです。

市内に尊敬できる先生方は、たくさんおられます。

僕など足元に及ばないほど、身を削り、子供さんへの愛情も忘れず医療に取り組む方も。

思いやり

敬意を払います。

 

当院にしても、”コアラ”は必ずしも僕でなくとも、同じ姿勢、もっと言えばより

ストイックな先生がされるのならば、そのほうがさらにいいですね。

”青臭い”と言われた、この姿勢が全くぶれずに今日も頑張ります。

メディア編は明日以降に・・。

よろしくお願いいたします。

 

江口小児科  江口尚彦

人生のすべてを小児に捧げる気持ちは強いです。