あと1ヶ月で今年も終わりですね。

 

ありとあらゆる師が走っているんですかね、今月は。

年が変わる、月が変わる意味合いは同じなのですが、なぜかあわただしい年末です。

皆さんが忙しくしている間に、名前とは打って変わって、動きまわっているものがいます。

”ノロウイルス”です。

困ったことに普通の風邪が、寒さで消化器に影響する嘔吐下痢も多いため区別がつきにくいですが、例外ももちろんある上での指標ですが、通常の嘔吐下痢は、一度吐く、もしくは下痢が続いても割と、子供さんの表情もよく、元気な印象です。ノロウイルスの場合は、明らかにぐったりとしていますので、毎度使っている指標ですが”いつもと何か違う”、ここを見逃さず、受診しましょう。

僕自身も検査で確認を取りながら行っていますが、ノロの陽性の方が増えています。

唾液などの空気感染はありませんが、吐物や便の付着は危険ですから、夜尿用の使い捨てシートを布団の所にはさんだりして、付着物を捨てることができる環境もあった方が良いです。

消毒も十分に必要ですが、ノロの場合、周囲の殻が強いですから、少々の乾燥では生き残って、飛沫が知らないうちに看病されている親御様や兄弟の中に入ることもありますから、どこまで吐物が広がったのかをしっかり観察してください。当院で使用しているような、医療用の空気清浄機を一般家庭や公共施設では使用しにくいですから、不特定多数の方が集まる環境に行く場合は、十分な周囲の観察と予防をしましょう。

嘔吐の直前の指標ですが、食欲が極端に低下するとわかり易いです。ですが、意外に夜中に嘔吐、その前の夕ご飯は元気にいつも以上にたくさん食べるという現象も起きます。

人間の体は、胃でものを粉々に消化して、腸で吸収しますので、何らかの感染症が胃に入り動きが止まってしまうと、腸からものを吸収することができず、血糖値が上がりませんから、食べても食べても満腹にならなくなります。たくさん食べて元気かなと思うと、実は・・・。とういこともありますので、ご注意ください。成人でお酒を飲まれる方(僕も飲みますが)、乾杯のあと、ビールを飲んで独特のふぁあとした感じがない場合は、今日は調子よく飲める、ではなく胃の動きが止まって嘔吐への道を歩き始めていると考えてください。

うがいですが、いわゆるうがい液を使用した場合と水でしっかりうがいをした場合の差がほぼないというデータが出ていますので、しょっちゅう水でのうがいをするのも大切です。

体内の乾燥を防ぎ、宴席の多いこのシーズンを十分に楽しみましょう。

”ノロウイルス”、ちょっと怖い状況になってきましたので、対処の方法や嘔吐の前兆を記載しました。ご参考にしただけると幸いです。

この季節僕自身も”あわてず、急いで、正確に”を心がけて診察してまいります。お仕事や、習い事など、親御様も子供たちも時間のない昨今ですが、受診のタイミングも”あわてず、急いで、正確に”と行きましょう。

また随時感染症の報告と、受診や症状の目安を載せていきます。

よろしくお願いいたします。

 

江口小児科  江口尚彦