父母考 現在

87歳になった母は、1日1日小さなことで一喜一憂して過ごしています。

一人暮らしですから声を出さないと良くない。

会議や時間外診療の前、たまにある休みには顔を出して母の言うがままを

聞いています。同じ話も以前に比べ増えてきました。

息子の声を聞くことで、気持ちが晴れるのならばいくらでも親孝行はしたい。

短い時もありますが、毎日電話もしています。

ほんの少しの事でも喜んでくれるようになりましたので、何をして気持ちを

晴れやかにしようかとしょっちゅう考えています。

この感覚は、何かに似ているなと思いましたが子供を喜ばせる感覚と同じです。

小児科をしていて、新しく、力強く世の中に出てきた命と触れ合うことが多いですが、

徐々に大人から子供に帰っていくのだなという事も母と接してかみしめています。

最後までつまらないことで悩まず、ただ楽しく過ごして欲しい。

多忙は言い訳に過ぎませんから、母親後行の旅は続きます。

以前の父母考にも記載しましたが、小さいころ悪いことをしてものすごく叱られて

きました。ですが怒られたことはほとんどありません。

育児の過程で子供が危険な目に合わないように、善悪を見誤らないように叱ることは

本当に大切です。

感情任せに怒鳴るなどの行動とは違いますから。

自信を持って、子供さんを叱って強い親でいてください。

何十年経っても子供は親への感謝を忘れませんよ。

僕は、母と話ができる限り、親孝行を続けます。

一方通行に話しかける日が来るのはまだまだ先であって欲しい。

 

今日も頑張ります。

 

江口小児科  江口尚彦