早いです。

考え方によれば、今年ももうすぐ1/4終了です。

相変わらず、水墨画状態が続いていますので花粉症ますます気をつけていきたいところです。

感染症で言えば、感染性胃腸炎も多いですが、地域差もありますがインフルエンザがまだ相当います。3月24日、27日と休日夜間急患診療所にもお邪魔しましたが、成人・小児ともに、またA/Bともに多いですね。この時期にまだインフルエンザを考えねばならないのは、かなり悩ましいところです。

咳が止まらないという方も鼻汁が止まらない方も多いですが、ほとんどの原因が粉じんの吸入と思われます。マイコプラズマ感染症なども多いので、そのような疾患を除外した場合にたどりつく状態ですが、2年前に石巻市で医療活動をしていた際に、回診していく、避難所のほぼすべての方が、長引く咳に悩まれておられました。当時レントゲンも、一般の検査機器もないですので、結核や他の感染症をほとんどの医師が危惧していましたが、最終的に考えられないほどの粉じんを吸引し続けることが原因でした。

肺の中に粉が入る、体が出そうと生理的な現象で必死に咳をする。

その場合に強力な咳止めを使えば使うほど粉じんが奥に入り込むので、幸い豊富に水があるわけですから、十分なうがいと水分摂取で可能な限り去痰していくことが必要になります。小児には大人ほどうまく痰を出すことができないので、肺に吸い込むというより、体の中に流し込むといったイメージで水分をまめにとらせてあげてください。

気管支喘息の発作も増えていますし、鼻の粘膜を診察時に観察するとほぼ全員正常な粘膜の色で腫れています。物理的な刺激の際にこのようなことがおきますので、洗顔も時にはしっかりと鼻の奥までの吸引も必要になります。

東北に行かせていただいた時に、こうしてあげたい、この処置をしたら、皆さん症状が軽減するだろうのに、器具がないためにできない、といったじれんまが相当ありました。

今は必要なことがすべてできる環境ですので、少しでも皆様の苦痛を軽減させていただければ、幸いです。

本当にたくさんの医師が、当時東北の支援に行きましたが、行かれた先生はみな同じ感想をお持ちと思います。現場を見ていないと粉じんの影響は分かりづらいですから。僕自身はその体験を通じて皆様の健康を守っていきたいですし、いかに理論や機械頼りで診察をしていたかという無力さも、今度は医療の原点にかえって、診察を磨こうと2年前よりぶれずに動いています。

小児の未来、大げさな言い方に聞こえますが、あっという間に大人になるわけで、その場しのぎの医療は、将来のためになりません。

東北の方々のずっと当時の様子を正しく伝えてほしいという思いと、私たち西日本の医師が体験を生かして医療行為に専心するのが一番大切と考えています。

長文ですいません。これから楽しい春になるように改めての決意を込めて。

よろしくお願いいたします。

 

江口小児科  江口 尚彦