母親は、最後の修行に旅立ちました。

今日のお話
頑張って欲しい。

6月1日、午後9時5分。

忘れないでしょうね。

母親が安らかに旅立ちました。

ちょうど夜間診療の途中でしたが、すぐに駆け付けることができ最後を看取ることができました。

1日土曜日、診療後見舞いに行ったときに呼び掛けて少し目を開けて私をしばらく見ていましたので、

声を聞きたいなと伝えると、ああ、と声を聞かせてくたんですね。

まさかその日の夜にと思いましたが、私の顔をみて安心してくれたのかなとも考えています。

母自身、旅立つ覚悟ができたのかなと感じます。

 

2022年の初頭から、母自身も相当葛藤を抱えながら過ごしていたんだろうと感じていました。

ですが生前母は眠るように逝きたいと申しておりましたので、彼女の理想通りに旅を終えることができたのかなと思います。

 

大きな医療行為で体を傷つけることもありませんでしたのできれいなままで眠りにつきました。

昨日までの期間は、どのように時間が過ぎたのか、少しあいまいになっていますが、正直に向き合うことが

できました。

喪主を務めましたので火葬場で覚悟を決めて送りだすときはつらいなとも感じましたが、

母の趣味のものやたくさんきれいなお花に囲まれ、晩年の大好物だった赤ワインと手羽先も持って、お気に入りの服装で

49日と言う修行の旅に出発しました。

現在は母も家に帰りましたし、今後毎日安らかな気持ちで向き合うこともできます。

 

たった一人で苦しみながら生まれてきて、呼吸をまず覚え、笑顔や言葉を覚え、色々なことが成長とともに

できるようになり、輝かしい時を過ごしていくお手伝いが小児科の役割です。

私はそこまでしか医療人として理解できていませんでした。

ですが、徐々にできることが少なくなり、言葉や感情表出を忘れ、無に戻っていくさまを見させてくれて、

最後に大きなしつけをしてくれたのだなと実感しています。

 

あとは私のすべきことは、今まで以上に子供さんにとって大切な医療は何か、どのように成長していただけるか、

小児科医としてだけではなく、医師として全力を尽くすことと身の引き締まる思いです。

 

悲しいのは本音ですが、それ以上に母が苦しむことはもうないのだと思うとお疲れ様でしたという気持ちが強い。

 

昨日は、全力で母に向き合う時間を頂きまして、患者様におかれましては感謝でしかありません。

本日から診療を全力で取り組んで参ります。

 

私の備忘録ですが、少し落ちついたら”父母考”の最後を記載しようと思っています。

85歳から90歳までの母との記憶と記録ですので。

 

 

今日から頑張ります。

よろしくお願いいたします。

 

 

江口小児科   江口尚彦