国立感染症研究所の最新流行レベルマップでは、まだ東日本を中心とした。インフルエンザ注意報が掲載されています。
そもそも。定点観測医療機関からの報告が各郡市保健所に上がり、それを集計してお知らせになるのでマスメディア的には若干遅れるのは当然です。
が、現在沖縄、関東全域、大阪、京都、東北、山陰、北海道などで警報が出ています。
この情報ですら2日前ですから、現在どうなっているのかわかりにくいですが。
ご覧になって共通点は観光スポット、人口密集地域です。
そして現在帰省で、一気に人が動いていますのでインフルエンザの拡散も岡山自体遠くはないですね。昨シーズンは暖冬でやや湿度もありました。今季は年末に近づくにつれて、インフルエンザの動くタイミングに合わせるように、急激に寒さと乾燥が進んでいます。
一時期”寄生獣”という映画がありましたが、あれはウイルス感染の怖さを伝えるものです。
ウイルス自体は休眠しカプセルに包まれた弱い生き物です。しかし、乾燥と寒冷で増殖し一度人の体に侵入したら、人体の細胞を自分のものにして強靭に増殖していきます。
特効薬がないのも、ウイルスを殺す薬は、同時に人の細胞を破壊することになるので無理なのです。かからないようにするしかない。
これも難しいですが、咽頭の表面が水分で潤っていればかかりにくの確かですし、休眠状態のウイルスは手洗いをすれば簡単にいなくなります。咳をすることで周囲に数百万以上のウイルスが飛散しますので咳エチケットも本当に大切です。
では薬がないと言いながら水ぼうそうの薬、インフルエンザの薬、私たちも処方します。一体なぜしょう?
これらは結局ウイルスを殺す薬ではありません。増殖して人体のあちこちに感染して被害が甚大になるのを食い止めるものです。唯一ウイルスを殺す方法は、十分に水分がとれた状態で、高熱を出すことです。ウイルスの弱点は熱ですから。水分が取れなければ、まず僕は輸液をして、免疫を上げる体制を作らせていただき、あとは熱の助けを借りて、離脱させるよう努めています。
楽しさのMAXに近づきますので、自衛、周囲への影響を考えつつたくさん思い出を作ってください。
水分の大切さは今後も訴えていきますが、南極の観測などで命を落とされる方、意外に思われますが、やけど・失明・脱水なんですね。一面固く凍った世界ですから、反射する光も多くやけど・失明。気温が低すぎますので周囲の氷を溶かして摂取しても間に合いません。冬場はだらだらと汗をかきませんから。こまめに水分補給をお願いします。紫外線予防も。
いつもくだらないOSSANからの”冬を最高に満喫するため!”まじめな豆知識でした。
勤務医時代:短距離走。これを繰り返して重症な患者様の命を守る。ものすごく忙しいですがチーム医療なのでやや自分の時間が持てました。しかし当直、論文作成や学会参加で最新の知識を常に吸収、高度医療などその他にも負担は多く、尊敬していますし、町医者からすればこれほど頼もしい方々はいません。
開業医:長距離走。風邪を含め毎日同じように疾患を診させていただき、適切なタイミングを見逃さず病院に紹介。不遜なことに(10年以上たつので先輩の先生お許しを)開業医は、木曜日、土曜日、年末年始いいなあと思っていました。
なってみて、園医、校医、医師会の役員、休日夜間診療所、乳児検診など木曜日と土曜日にしか時間が取れないこと。代診の先生がおられないので当たり前ですが、おのれが体調を絶対に崩さず黙々と走り続けること。終わりはありません。開業医も修行です。
開業当初は、30代でもあり色々壮大に”ミニ病院”程度ならできると考えていましたが、今振り返ると朝知恵でした。
ほんの数日でも脳を休ませないと誤診が多くなります。あとは勤務医の先生方の負担軽減や他の開業医の先生との連携も大切です。
元気に、間違いなく、明るくいくために、コアラにしばしお時間をくださいませ。
1月3日まで冬眠です。驚くべきことがあれば”号外”出します。長文すいません。
では大掃除に取り掛かります。
江口小児科 江口尚彦