最後の寒波と思っていますが、外に出ることすらはばかられる寒さですね。
写真のコアラは寄り添って暖をとっているのでしょうか?
さて、言葉を考えるには最適な日です。
医師の道を進み始め、この15,6年で、非常にまれですが”かなりきつい”親御さんに遭遇します。
その親御さんのきつい言動を黙って観察している子供さんもいます。
情報過多で迷走し、お疲れの方が増えているからだろうとおもいますが、
”言葉”を考えてみましょう。
仮に、僕がネットで正しい、もしくは自分につごういのいい情報を集め、”僕の調査で、判決を下します”などというと、おかしいです。
判決は裁判官の方にしかできません。
判決に疑問を感じたら控訴ですが、裁判官の方は偏見をもたないために、判決を下すまであおるようなメディアを一切見ることなく、現場で鍛えられた、今までの経験と事実を加味したうえで判決をくだす。
判決には思い責任が伴いますので、大変だろうと思います。
では、私たち小児内科医の言葉は、どうでしょう。
あえていいますが、青春のすべてかけて国家資格をとり、その資格が生きたものになるために数々の病院を回り、かなり悲しい結末、悲惨な状況にも遭遇し、今現在も知識の吸収をしたうえで、”診断”をします。
当然責任の大きい言葉です。
ネットとテレビ、健康食品の情報それで成り立つならば、僕たちは不要な存在です。
本当にわずかです(だから驚きも大きいです)が、時におられます。
”私の診断では、OOOなので、薬をください”
少しきつい言い方になります。
同じく医師からの言葉ならば僕も考え話し合いますが、”ネットで調べた結果”は、診断になりません。
責任を伴わないからです。
普段の診療では短い時間の中”診断”します。
その様をご覧になられて、簡単そうだから自分でもできそうだ。
と考えられてしまうのが内科の苦しさです。
子供さんの普段の元気さを養育者の方は正確に把握。
それと比べていつもと違う時に受診してくださる。
客観的な事実を多くいただけて正しい診断への助けになります。
頂いた正確な事実をもとに、なんの影響も受けずに頭をフル回転させて、医師のみが”診断”できます。
それは、重ねて言いますが医師だからこそ”責任”をとる重みがあるからです。
逆に育児で言えば、養育者様が”子供さんを正しく導く責任”を持たれているからこそ、自由に”可愛がったり、叱ること”もできます。
子供は観察していますよ。
そして親の言動や行動を、いずれ必ずまねるようになります。
中学の時に同級生が、親の月収の事ばかり話していました。
いつも家庭でそのような会話があるからです。
いきなり子供が思いつことはありませんから。
ものすごく大きな事故で搬送された子供さん。
悲しいですが虐待で亡くなった子供さん。
慢性の病気で誰もお見舞いに来ることがなく、病院のものだけで看取ってあげた子供さん。
あげればきりがありませんが、私たちはそれを経験して、その後に開業医となっています。
いきなり、ネットを見てなっているわけではないです。
”診断”のような責任が伴うことは我々に任せて、子供さんに二面性があるかのように誤解されないように、自由に育児をしてください。
気になる場合は相談をしてください。どのようなことでも真剣に考えて、悩まれるご両親が安心していただけますように頑張ります。
医師も自分の考えが絶対だなど威圧的になってはいけない。
ですから、ネットで調べて”診断”を付けないでくださいね。
私のような法律に関する素人が、勝手に判決を下したら裁判官の方に怒られます。
また、辛口で申し訳ありません。
しかし、大人同士で考えなければいけない問題です。
医師のアナログな言葉を軽く見ないでください。しっかり目をみて話し、発言に全責任を持ちます。
逆にネット情報は軽く流してください。責任を取りませんから。
いずれ助けてもらう存在になる、子供たちが健やかに行くため、メディア、ネットに疲労させられないでくださいね。
皆さんは、ほとんど素晴らしい方々です。大切に僕も考えています。
だから時に感じ始めてていたことを記載しました。
僕は、ストイックさと他者への思いやりを課した上で、オンタイムをしっかり走ります。
表町の大人気のラーメン屋さん。
行列がたくさんでも笑顔で並びますよ。プロが休まず動き続けているのですから。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。
寒波の激しい建国記念日。
江口小児科 江口尚彦