おはようございます。
もちろん粉塵もまだありますし、春めいていますがそれは早朝。
最高気温がどんどん上がりそうですね。
今日からの5日間で暑さに慣らすのも難しいでしょう。
いや、しかし日内変動もまた大きい。
成人でも、ばててしまいそうです。
呼吸器系の感染症、消化器系の感染症も春型はやや減少です。
真夏に問題になるものは増加中です。
真剣にならざるを得ないです。
今、一番懸念しているのは”はしか”ですね。
2015年にいったん根絶の認定を受けていたはずなのに、国際化で行き来が
多いため、再度増加。
しかも空気感染は、瞬時にかかるので気をつけねばなりません。
有効な治療がないので、ワクチンが手薄かった成人が要注意です。
もう一つの問題。
僕のような年齢でも、典型的な”はしか”は研修医のころ、若手でいたころにはよく見ましたが、
近年典型例を見たことがない医療従事者も増えています。
数年前に関東で大流行した時も、難しい病気は鑑別されて、まさか”はしか”とは?でしたから。
その後は、ワクチンなどで減少。
一目で、はしかと疑える技術を急ピッチで掘り起こしています。
これから、レジャーの最前線の沖縄で大流行。
今後はどこから、入るかわかりませんので、”空気感染”のウイルスに注意です。
これが、もし”エボラ出血熱”だったら、ぞっとします。
知識のブラッシュアップがあたりまえですが、毎年要求されますね。
僕は流す(嫌いな言葉)ことなく、情報をさらに広げます。
”はしか”本当に怖いです。
①潜伏期間は10日ほどです。自覚症状はありません。
②まず、発熱とともに軽い風邪症状で始まります。
この時期しか口腔内の白い”コプリック班”という白い発疹が見られない。
ここを見落としやすいです。ここまでが3日ほど。
③この後、いったん解熱傾向に入ります。
その後再度高熱になり顔面から始まり、体、手足に発疹が出現し、次第に融合します。
これも3日ほどでしょうか。
④そのあと解熱しながら発疹も消えていきますが、茶色の色素が残ります。7日ほどです。
基本的には自然に治癒するわけですが、免疫低下で中耳炎、肺炎、結膜炎。
数年して発症する脳炎も。亡くなる方もおられるので、非常に怖い病気です。
とにかく、診断して疑った場合は血液検査ですが、そもそも①の部分で疑うのが難しいですので、
力を入れねばいけませんね。僕もポリオの患者様は世代的に見たことがない。
はしかを診た世代として頑張ります。
対症療法が中心ですが、大切なのはワクチンです。子供さんのMRワクチンができていないかを確認
して、必ず接種です。
妊娠されている方は予防接種ができないので、やはり人ごみをさけるしかない。
連休が近いので経済効果であまり強く言われていませんが、人ごみで知らない間に、
何ならすれ違い様にうつっていることもあります。
本当に平和な時期がない。黄砂などの影響がようやく落ち着いてきたのに。
風疹も基本的に熱が続き(3,4日)その後発疹が出現。
はしかほどの長期化がないので”三日はしか”と言われていますが、
首の後ろのリンパ節がかなり腫れます。
皆さん、ワクチンの状況を早めに確認して速やかに足りていない場合は接種を。
それしか予防はありません。僕は2011年に接種しましたから。
今日も走ります。
よろしくお願いいたします。
江口小児科 江口尚彦