夏、思い出して怖かった話。

今日のお話
医院。

おはようごいます。

昨日も午前が、やや平和。

午後から、頭痛・顔色不良・嘔吐などの方が多かったです。

とにかく6月13日記載のタイミングを忘れないでください。

 

確かに朝と晩が涼しいのですが、みなさんの内臓が疲労しています。

熱中症は、暑く湿っている空気を吸い込み、大量な発汗。

脱水。内臓疲労。水分摂取ができない。

さらに内臓疲労。そして熱性けいれん、処置が遅れると搬送です。

 

一般的にニュースで取り上げられる熱中症は、搬送の部分ですが

その前段階の方は、もっと多い。ですが、そこは報道にのらないです。

心配です。

 

さて、”思い出して怖かったこと”です。

実話です。

10年以上前ですね、僕が医療センターの勤務医時代でした。

当直明けで、くたくたなまま歩いていて・・・。

 

僕の記憶はそこまでです。

 

その後は、いきなり救急室で輸液されていて大丈夫なのかという声で目を開けました。

 

何が起こったのか理解できませんでしたが、”熱中症の痙攣”だったんですね。

今ほど、水分もとらず、睡眠不足の炎天下。

考えれば、必然だったのかもしれません。

 

水分をしっかりとるようになったのはそこからです。

いくら鍛えていても、人の体を構成する水がなくなると絶対に起きます。

 

サインはいくつもありました。頭重、腹痛、倦怠感、口喝。

見逃していた自分が悔やまれます。

 

怖かったのは、運転中だったら、運動中だったら、自転車だったら、・・。

確実に”死んでいた”ことです。

僕は、夏向きの体を作って行きますよ。死にたくないですからね。

 

例えば、ボクサーも鍛えに鍛えて試合をしています。

凄まじい減量、集中力。これがもって3分。

次のラウンドまでに、ありったけの水分を補給していますが、それをしないと

試合途中に筋肉が痙攣を起こすようです。

 

習い事も多彩です。

運動をしている子供さんに伝えたいですが、”根性論”のみでは

体を壊したり、球技と格闘技は紙一重ですから不幸な事故も起きます。

水分を補給、いくら練習でも体に異変があれば休む、休ませる。

それをやらないとアスリートの生命も短いです。

 

トップ選手はそこをよく知っているので、自己管理が徹底していますね。

欧米の練習では、”休ませる”事も取り入れていますが、日本の遅れはそこがないことかな

と感じます。

 

”あれだけ、練習を頑張ったんだから、試合でたいよね”と親心から言われる方も多い。

しかし、僕ではないですが試合中にけいれんを起こしたら、”即死”もあります。

もしくは、長い人生ずーっと故障を抱えたままもあります。

だから、夏の作法。

水分を十分に、タイミングを間違えずにとることが大切です。

 

子供さんにとって何が”本当にかわいそうなのか”を考えないといけません。

頑張って動いてもらったり、遊びを楽しむことも大切です。

記録を残すがために、”しんどい状態で遊びや試合”こそが真に可哀想です。

夏を満喫できるようにも、多少子供さんが嫌がったとしても、

絶対的な親の愛情で、水分を取らせて猛暑に耐えうる体を作りましょう。

 

熱中症をなめてはいけないと、自分の体験上つくづく思いました。

特に子供さんに同じ思いはしてほしくないです。

 

怖さを感じて忘れないでください。

これが”夏のお作法”の大切な部分です。

嘔吐、点滴を夜間。朝に少し戻り、園に行き小学校に行きそこで激しく嘔吐。

そこから、ちょっと様子を見て、心配になり受診。

 

受診まで間、子供さんは地獄です。

おかしいなと思った時点で、動きを止めさせて受診が必要です。

 

ご自身が、同様な体調不良でどうされますか?

夜中吐いたらいつ受診?

午前でしょう。

 

元気いっぱいの頭でスタンバイです。

 

よろしくお願いいたします。

 

江口小児科  江口尚彦