カーテンが開きました。事実は小説より奇なり。

今の悩むお母さん方へ
本気で、ゆっくりと耐える。

おはようございます。

 

熱中症、僕自身の予想をはるかにうわまっていました。

午前は、ゆったりと流れていましたが、午後診は、トイレにも行くことなくノンストップでした。

熱中症のイメージは、やはりふらふらして、搬送のイメージですが、

・頭痛

・口渇

・食欲不振、下痢、嘔吐

熱疲労で上記のような症状もあります。

ちょっとした症状かなと思われがちで、午前中登園や登校をして、午後から激しい頭痛と高熱、嘔吐が頻回。

湿度もジワリと上がっていますので、不快感はさらに増します。

今週末に、また運動会です。

色々、練習している我が子を出してあげたい気持ちも分かります。

ですが当日にふらふらだと本人はショックを受けます。

不測の事故も起きかねません。

イベントが多いシーズンに入るのはこれからです。

夏に耐えられる体作りをすることが急務ですね。

 

あと、少しお耳に痛いことというか、成人が考えて欲しいことですが、

 

仮に養育者様が、激しい頭痛、嘔吐があれば、少しでも早く受診をするのではないでしょうか。

普段感じることがない、倦怠感でも少なくとも夕方までその状況で過ごすことは少ないのでは?

 

体力が落ちている状態で、全力疾走ができるでしょうか。

 

仮に成し遂げたとして、点滴や入院が待ち受け、記憶に残らない行事に出るでしょうか。

 

 

大切な子供さんに聞けば、出たいというはずです。それすら言わないときは最重症です。

子供さんに行事に出られないというと泣きます。

出たいよねと問うと必ず出たいと泣かれます。

それを可哀想とお考えになるか、無理をして結果入院につながることになるのを可哀想と考えるか

子供は、本能のみです。親の持つ、先を読める力で抑えることも大きな愛情です。

 

 

行事の主人公は子供さんです。

万全な体調で参加させてあげましょう。受診を遅らせる事は、子供にとって地獄の苦悶です。

顔色が全くない子供さんもおられる。当然、自ら受診する選択権が子どもさんにはない。

全ては養育者様のさじ加減です。

 

医療センターの当直をしていた頃、極端な話ですが”朝から熱と嘔吐。とりあえず登園。帰宅後嘔吐。

その後もなぜか様子を見られ、早朝4時に受診。輸液後安静にというと、旅行直前。

行けなくてごめんね、かわいそうだねとご帰宅。点滴痛かったね”とも。

朝からの嘔吐の時点で来院されていると、おそらく座薬で済んでいました。

点滴も子供さんにとっては、体が楽になる大切な方法です。

タイミングなどを除き、100歩譲って”痛かったけどよく頑張ったね”ならば、愛情を感じます。

長くしんどい思いをした子供さんが可哀想でした。その後そのまま旅行。

かなり強く止めましたが、憮然とお帰りになられたのを覚えています。事実です。

 

この時ばかりは、子供が大切なのかデジカメでの記録が大切なのか、かなり懐疑的になりました。

くどいですが、子供には自分の体調の変化、動いたために起こり得る結果はわからないですから。

 

僕は、小さいころ親の強い忠告を無視して左腕の骨折をしました。

やらなければならないリハビリを怠り現在も伸びません。

無理にでも、リハビリをさせて欲しかったと親にあたったこともありました。

今は、5年ごとに体に負荷がかかっていることを実感しています。

 

小児科医の役割は、今の子供さんがたくさんの可能性を楽しめるように元気にすること。

そして大人になって振り返った時、記憶はないけれども小さい頃に休ませてくれてありがとうと思ってもらえること。

このために、全力を尽くすことです。

 

親御さんは、いつも1番大切で可愛い我が子が思春期以降の時期を楽しめる

イメージでいてください。

そのあとは、自分で生きる道を充実させますから。

輝かしい未来をまず一番に考えましょう。

今日も、熱中症はいくらでも元気になるように頑張ります。

朝から、辛口ですいません。

さて、全力疾走します!

よろしくお願いいたします。

 

江口小児科  江口尚彦